留学中に色々な方から、「なぜバックグラウンドがない領域のものを、母国語でなはなく英語で学ぶのか」「それを学ぶのに海外に行く必要があったのか」と質問をいただくので、今回は私なりの考えを書かせていただきます。
Contents
結論:必要性はない
結論から申し上げると、海外で学ぶ「必要性」はありません。
当たり前ですが、学びたい内容を学問として理解するだけなら、母国語の方が理解は深まります。むしろ海外の大学で英語で学ぶことは人によっては非効率でありおススメできません。
また、よく海外留学をするときに「海外の最先端の理論や考え方を学びたい」と聞くことがありますが、少なくとも世界でもトップ10にランクインするNUSのComputer Scienceの修士(Master)では比較的最近トレンドとなっているような内容は学ぶことができますが、”最先端”と言われるその領域において未だ知らない人の方が多い内容を学ぶことはできないと思っています。これはMBAも同じだと思います。
修士課程というのは、博士課程に進むために必要な知識・スキルの習得や、研究方法、論文の書き方などを学ぶことが目的と言われているので、古典も含めて理論としてある程度確立されているものを学ぶことの方が多いのではないかと思っています(私の今までの乏しい経験に基づいた推測です)
もちろんNUSの修士課程でも博士課程に行くことを前提としたプログラムもあるので、そこでは先端領域の研究をすることもできます。
では、非効率だし新しいことを学べるわけでもないのに、なぜわざわざ海外の大学院で学んでいるのでしょうか。
海外(日本国外)で英語で学ぶことのメリット
私の場合、日本語で学んだ方がはるかに効率が高いのですが、英語で学んでいることのメリットが非効率であること上回っていると確信しています。ただこのメリットは実際にNUSで勉強し始めて気付いたことです。
もともと私は海外経験がなかったので、テクノロジーの知識・スキルの習得+海外経験を得ることを目的として海外留学しました(過去ブログ:なぜ留学しようと思ったのか(後編))
情報量が圧倒的に違う(Stackoverflow, Google, Youtube)
勉強していてわからない、またコードを書いて躓くことがよくありますが、それを解決したいというときに日本語と英語では圧倒的情報量にな量の差があります。
Stackoverflowという情報技術、プログラミング関連のナレッジコミュニティで、わからないことがあったら質問を投稿をすると色々な方々がアドバイスをくれるYahoo知恵袋のようなサイトがありますが、英語と日本語では回答数に大きな違いがあります。
またGoogleのサービスを使おうとした場合にも、Googleが提供するDeveloper向けのガイダンスやTutorialがあるのですが基本は英語です。
例えば私が2nd Semesterで履修したModuleで実施したソフトウェア開発のプロジェクトワークでは、Google Map APIやGoogle Drive APIなどを使用しました。その際の実装例やエラー解消方法など、日本語では解決策がないような内容も、英語であれば豊富に出てきたりします。
さらに、Youtubeなど無料で見ることができるTutorialが世の中にはあふれていますが、当然にして英語の方が数は多くアメリカのComouter Scienceで有名な教授のレクチャーを無料で視聴できたりします。
このように学ぶ言語を最初から英語にすることで、学習者がアクセスできる学習リソースの幅が圧倒的に広くなることが一番大きなメリットです。
市場価値がまったく違う
使用言語が単一言語なのと複数言語なのでは市場価値に圧倒的な差があります。
転職エージェントの方によると、日本人のエンジニアで英語が堪能な方は少ないらしく、海外のエンジニアと英語で技術的な話ができるだけで日本の労働市場における価値が飛躍的に高まるだけでなく、日本語という世界の中ではマイナーな部類の言語をネイティブで話せてかつ英語を話せる人というのも、海外市場では一定程度のニーズがあるようです。
ファイナンス × プログラミング × データ分析 × 英語 × 日本語 × HQでの人事業務 = ???
これが100万分の1の人材であることを期待しています。
話が逸れますが、シンガポールに来て実感したのは、グローバルにおける市場価値のひとつの源泉(スタンダード)は多言語を使用できるということです。シンガポール人は英語と中国語(マンダリン)を話せるので普通にバイリンガル。それに加えて日本語やマレー語、スペイン語が話せるというトリリンガルが当たり前のようにいます。
日本にいたときは英語が少し話せるだけでもすごいねーと言われることがありますが、シンガポールではほぼ価値なし。。世界は厳しいです。
実は英語の勉強にはうってつけの題材
最後は些細なことですが、データ分析やプログラミングを英語で勉強するのは、使う語彙が限られていたり、日本語でもカタカナ英語として使われていることも多いため、英語学習にはもってこいです。
MBAで学ぶようなリーダーシップや抽象的で複雑な概念や言い回しがなく、基本的に出来上がったWebサイトやデータ分析の際のコードをベースにディスカッションをするのでネイティブの方々に囲まれてもなんとか議論に食らいついていくことができます。
インド人の教授からAIの講義を初めて聞いたときは衝撃でしたが。。。
まとめ
このようにまったく土地勘のない内容を海外の大学院で英語で学ぶことは一見非効率ですが、頑張って食らいついていったあとのレバレッジは高いと思っています。
したがって「必要性」はないものの、メリットは大きいですというのは私の結論です。
今回は以上です。